category: 嘘謎解き
DATE : 2011/12/06 (Tue)
DATE : 2011/12/06 (Tue)
「インスタントしかないけど、ごめん」
「いいよ、ありがと」
男はカップを二つ持ち、片方のコーヒーは器用に混ぜながらダイニングテーブルまで運んだ。
「また横着して」
「いいじゃん、別に」
男はそう言って、今度は女のコーヒーをかき混ぜ始めた。
女は渦を巻くコーヒーを見つめながら、思い出したように言った。
「もういいよ。ところで、知ってる?」
「ん、何を?」
「ファンタジーってね、別のファンタジーが現れると消えちゃうんだって」
「知ってるよ。だって、君はお姫様だからね。あちっ」
「もう、気を付けてよ」
男は一瞬顔をしかめた。
コーヒーが熱かったのか。それとも。
部屋にはカップが二つ、ティースプーンが四つある。
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